孵化したウミガメの赤ちゃんが海へ向かう途中で大量捕食される動画!天敵や生存率は?

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ウミガメ

日本の古いおとぎ話「浦島太郎」にも登場し、日本人にもなじみの深いウミガメ。

鶴は千年、亀は万年という言葉にあるように、カメは長生きの象徴として古くからお祝い事や縁起物とされてきました。

英語で「turtle」と呼ばれるウミガメは、カメ目ウミガメ上科に分類される爬虫類となります。

今回はウミガメの生態や特徴のほか、生まれたばかりの赤ちゃんガメが海に向かう途中、カニやトカゲ、海鳥などの天敵に捕食される様子の動画をご紹介したいと思います。

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ウミガメは熱帯や亜熱帯地域を中心に、全世界の海に生息しています。

現在7種類のウミガメが生息していますが、ヒメウミガメやタイマイのように沿岸地域に生息している種類と、アオウミガメやオサガメのようにはるか外洋の長距離を移動する回遊性のウミガメとに分けられます。

日本でも野生のウミガメを見ることができますが、特に本州の太平洋沿岸や小笠原諸島、沖縄などではアカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの3種類の野生のウミガメの産卵が見られます。

身を守る平たく硬い甲羅、泳ぎに適した平たく長い前足が特徴のウミガメは、カメの中でも大きな種類となりますが、ウミガメの中でも最大となるオサガメの甲羅の大きさは2mにもなります。

万年生きると言われ長寿の象徴とされているカメですが、さすがに寿命が実際1万年にもなるウミガメはいませんが、それでもアオウミガメ、アカウミガメで70~80年ぐらい、タイマイで30~50年ぐらいもの寿命と言われています。

ですが何十年もの長期間にわたってはるか遠い海洋で過ごすウミガメの研究はまだまだ進んでおらず、実際どれくらいの寿命かはわからないことも多いようです。

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ウミガメの生態ですが、ウミガメは海草や海綿動物、クラゲや魚類、甲殻類などを餌としており、エサは海水ごと丸飲みにします。

またウミガメは産卵の時以外は陸地に上がってくることはなく、オスは一生を水の中で過ごします。

ウミガメのメスはピンポン玉のような卵を1回の産卵で100個以上産みます。

特にアリバダと呼ばれる数百匹ものケンプヒメウミガメのメスが砂浜を覆いつくし、一度に産卵する光景はまさに圧巻です。

メスは後ろ足で卵に砂をかけ隠し海に戻っていきますが、この時目から涙を流して泣いているように見え「ウミガメの涙」と呼ばれています。

が、実はこれは体内に残っている余計な塩分を体外に排出しているのであり、泣いているわけではないのです。

エサと一緒に丸飲みした海水を目から排出している様子がまるで泣いているように見えるだけというオチなのですが、そもそも爬虫類に感情はあるのかという疑問も出てきました。

砂浜に産み付けられた卵は産卵後2か月ほどで孵化します。

孵化した赤ちゃんガメは通常は夜に砂の中から出てきて、月の光が当たって光っている海を目指し進んでいきます。

ウミガメの卵の孵化率がそもそも70~80%程度と言われているのですが、無事に孵化し海を目指す赤ちゃんガメにも多くの天敵が待ち構えています。

生まれたばかりのウミガメの子供にはカニ、キツネ、海鳥などの陸上の天敵のほか、人工の障害物などによって海までたどり着けるのはほんのわずかです。

無事に海にたどり着いてもハタ、マダイなどの天敵となる大型の魚にほとんど捕食されてしまいます。

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フレンジーと呼ばれる生後直後のドーピング状態のような疲れ知らずの間に、カメの子供たちは休まず泳ぎ続けひたすら安全な外洋を目指すのです。

生存率が高まる外洋までたどり着いてようやくカメの子供は休息を取り、プランクトンを食べ成長していくのですが、孵化したウミガメの赤ちゃんが大人になれる生存率は1,000匹に1匹とも5,000匹に1匹とも言われており、いずれにせよ非常に低い生存率となっています。

十分に成長した大人のウミガメの天敵はサメやシャチぐらいですが、実際大人のウミガメが襲われることはあまりないようです。

生まれてすぐに捕食されほとんどが一生を全うできないウミガメの子供たちにとっては非常に厳しい環境ですが、多くの生物の食べ物となり食物連鎖に貢献し、また長寿だからこそ低い生存率でも種として存続しているのがウミガメの生態の特徴のようです。

そんな長寿のウミガメなのですが、近年は食用や装飾用としての人間による乱獲、環境汚染、また漁業用の網に引っかかって呼吸ができなくなり溺死するなどにより、生息数が大きく減少してしまいほとんどの種類のウミガメが絶滅危惧種に指定されています。

現在世界的な保護活動が求められ、日本でも卵を保護し孵化させてから海に返す取り組みなどがされていますが、まだどれもウミガメの生息数を増加させる効果的な保護活動とはなっていないのが現状のようです。

今回は砂浜から出てきて一目散に海を目指す孵化したばかりのウミガメの子供たちを、カニやトカゲ、鳥たちが片っ端から捕食していく様子の動画です。

生まれたばかりの子供たちが次から次へと食べられていく様子はなんともかわいそうな感じがしますが、狩る方にとっても生きていくための行動なのでしょう。

そんな大自然の生存競争の様子をご覧ください。