その名の通り、雪のような白い体にヒョウ柄模様の綺麗な体をしたヒョウ、それがユキヒョウ(英語 Snow Leopard)です。
ユキヒョウは、ヒマラヤ山脈など中央アジアの険しく極寒の山岳地帯に生息していますが、過酷な自然環境で生息し、広大な縄張りの中で自由奔放に暮らすユキヒョウを人間が目にする機会はほとんどなく、40年ほど前までは「幻の動物」や「山の幽霊」などとも言われていました。
実際2004年にエベレストのネパール側の南斜面で確認された野生のユキヒョウは、なんと40年ぶりに確認できたユキヒョウでした。
ですが野生での確認数が極めて少ないため、ユキヒョウの生態についてはまだわかっていないことが多いのが実情です。
ユキヒョウは肉食の大型ネコ科動物で、生息域では生態系の頂点に立つ野生動物です。
他の肉食動物である野犬のドールやチベットオオカミから獲物を奪い取ることもあります。
ユキヒョウは、ヒマラヤ山脈やアルタイ山脈(アフガニスタンやインド、ネパール、ロシア、モンゴルなど)などの標高2,000~6,000mの山岳地帯に生息しています。
断崖の岩穴や崖の上などで休んだり、巣穴を作ったりします。
またユキヒョウは、山岳地帯に約5km四方という広大な縄張りをもっています。
高地は獲物が少ないため広い縄張りを確保する必要があるのです。
ユキヒョウの性格ですが、飼育下ではおとなしくて慣れやすいことで定評があります。
大型ネコ科動物の中では一番人間になつきやすいとも言われていて、日本の動物園でも動物園の飼育係がケージにやってくるたびにじゃれついてきて困らせていたほどです。
ですが生存が厳しい野生では、用心深く、警戒心が強い性格です。
ですから野生ではほとんど目にする機会がないのです。
肉食動物のユキヒョウが獲物とするのは、アイベックス・ヒマラヤタール・マーコールなどの野生ヤギの仲間、アオヒツジ、ジャコウジカ、アジアノロバ、イノシシ、ガゼルなど比較的大きな哺乳類を食べることが多いですが、獲物とする動物の割合などはその地域の環境によって大きく異なっています。
ユキヒョウの身体的な特徴としては、アフリカのヒョウに比べてひとまわり小さい体、ヒョウの倍近くある長くて密度の高い体毛、短く太い足、太く長い尻尾などがあります。
これは雪の積もった寒冷地に適応してきた進化であって、雪の上や断崖絶壁で重心を低く保ち安定させる事ができます。
また足の裏に長い毛が生えていて、その毛によって雪の上での滑り止めになっています。
そんなユキヒョウもまた、ワシントン条約で絶滅危惧種に指定されている動物です。
地球温暖化による生活環境の変化や、家畜を襲う害獣として駆除されたり、毛皮を狙った密猟などにより生息数は全世界で4,000~8,000頭しかいないと推定されています。
そんな絶滅の危機に瀕しているユキヒョウが、マーコールの子供を狙って断崖で狩りを行う様子をとらえた非常に貴重な映像です。
ユーチューブにアップされたプラネットアース(Planet Earth)の迫力ある動画です。