ナンキョクオオトウゾクカモメはチドリ目トウゾクカモメ科に分類される鳥類です。
英語では「South polar skua」と呼ばれますが、漢字で「盗賊」と呼ばれるように他の水鳥を攻撃してエサを奪い取る非常に攻撃的なまるでギャングのような性格をしている鳥です。
今回はナンキョクオオトウゾクカモメの生態や特徴のほか、南極で生息域が重なるアデリーペンギンの性格やヒナが捕食される動画などをご紹介したいと思います。
オオトウゾクカモメは、南極大陸や南極半島など南極周辺に生息していますが、非常に長い距離を移動する渡り鳥で春から夏にかけて赤道を超えて北半球にも飛来してきます。
日本の海上でも南極から大移動してくるナンキョクオオトウゾクカモメが観察されています。
中には冬の間も日本に留まっているナンキョクオオトウゾクカモメもいるようです。
ナンキョクオオトウゾクカモメの体長は50cm程度ですが、翼を広げた両翼の長さは130cmにもなります。
体重も1kgほどの比較的大きな体をしている鳥です。
対して目の周りの白いアイリングが特徴のアデリーペンギンは、ペンギン科アデリーペンギン属に分類される南極に生息するペンギンです。
suicaのキャラクターにもなっているアデリーペンギンは、体長50~70cm、体重5kgほどの中型のペンギンです。
南極大陸で繁殖できるペンギンは、コウテイペンギンとこのアデリーペンギンだけとなります。
オキアミなどの甲殻類や魚、イカなどを餌としているアデリーペンギンの寿命は20年ほどとなります。
シャチやヒョウアザラシ、オオトウゾクカモメなどアデリーペンギンの天敵は多いですが、攻撃的な性格のアデリーペンギンはヒナが天敵に襲われてピンチの時には勇敢に立ち向かい敵と戦います。
ですがいくら天敵に対して勇敢に立ち向かい攻撃的に敵を追い払おうとしても、やはりヒョウアザラシやオオトウゾクカモメなどにはかなわない事も多く、生まれたヒナの生存率は高くないようです。
ナンキョクオオトウゾクカモメは盗賊の名の通り、カモメやミズナギドリなどを空中でしつこく攻撃して餌を奪い取る横取り屋です。
他にも魚やオキアミなどを食べるほか、親鳥の隙を狙ってウミガラスやペンギンの卵やヒナを捕食します。
コウテイペンギンやヒゲペンギン、イワトビペンギンなどのヒナもナンキョクオオトウゾクカモメに襲われますが、ペンギンの中でもアデリーペンギンの卵やヒナが襲われる事が一番多いようです。
南極大陸で繁殖活動をするナンキョクオオトウゾクカモメの巣はペンギンの繁殖地の近くに作ることが多いのですが、集団繁殖地のコロニーを作るオオトウゾクカモメはそれぞれの個体がエサとするペンギンの繁殖地の縄張りを持っています。
まるでそれぞれシマを持っているような感じですね。
ナンキョクオオトウゾクカモメもやはり非常に気性が荒い性格をしているので、自分の縄張りに他のオオトウゾクカモメが入ってくると激しく攻撃して追い払います。
今回はアデリーペンギンの巣を襲うナンキョクオオトウゾクカモメとヒナを守るアデリーペンギンとのバトル動画です。
日本からはるか遠い地球の極地で繰り広げられている弱肉強食の野生の世界をご覧ください。