出典 wikipedia
ずんぐりした体と短いしっぽを持ち、丸っこくてかわいい姿がまるでハムスターのようなレミング。
集団で海に向かって行進し、崖から集団で飛び降り自殺をするいわゆる「死の行進」が長らく都市伝説的に残っており、その逸話をモチーフにしたゲーム「レミングス」もかつてヨーロッパやアメリカで人気を博したゲームとなりました。
レミングは、ネズミ目キヌゲネズミ科ハタネズミ亜科に属する哺乳動物で、英語では「Lemming」、和名では長距離移住する習性から「タビネズミ」と呼ばれています。
今回は、レミングの生態や集団自殺の真相、集団移住する動画などをご紹介したいと思います。
レミングの生息地は、北極や北極近辺のカナダ北部や北欧などのツンドラ地帯となります。
レミングの体の大きさは、体長7~15cm、体重30~112gほどで、寿命はペットとして飼育された場合は1年程度ということですが、野生ではホッキョクギツネ、シロフクロウ、オコジョなどレミングには天敵が多いためそれよりもずっと短くなるでしょう。
草食動物のレミングは、草やコケ、小枝などを食べていますが、毎日体重の1.5倍もの量の餌を食べる大食いです。
レミングの生態ですが、寒さの厳しい冬の間も冬眠はせず、雪の中に穴を掘って巣を作り雪の下にある餌やあらかじめ蓄えておいた食料を食べて過ごします。
レミングはオス、メスともに縄張りを持っており、基本的には単独で行動しています。
またレミングは3~4年周期で個体数が急激に増減することがあり、生息数が大幅に増えると縄張りの重複や餌の不足のために、集団で移住する生態があります。
この集団移住の際に途中に川や湖があっても、泳ぎの得意なレミングは泳いで渡ろうと強行突破しようとする場合があります。
この移住の旅路の時に海に落ちて溺れてしまうレミングも出てきますが、これは自殺ではなく事故なのです。
古くからレミングは、個体数が増えすぎると群れで一斉に海を目指して行進し、次々と海に身投げをするをすると考えられており、この行動は「レミングの集団自殺」や「レミングの死の行進」と呼ばれてきました。
「レミングが集団自殺する」と広く世間で信じられるようになったのは、ディズニーが1958年に作成した「White Wilderness(白い荒野)」というドキュメンタリー映画で、レミングが集団自殺するような習性があるかのようなコメントと共に海中に次々と飛び込む場面を描写した事が原因となっています。
しかしこんな都市伝説のような話も長い間世間にまことしやかに信じられてきましたが、のちにディズニーの制作陣によるねつ造であることが露見されました。
レミングがまるで集団自殺しているように視聴者に信じさせるようディズニー映画の制作陣は意図的に演出し、自殺用のレミングを現地のイヌイットから購入していることも判明しています。
今回は個体数が増加した地域のレミングが、エサと天敵から逃れられる安全な地を求めて集団移住の様子を紹介した動画をご紹介します。
小さくかわいい赤ちゃんをくわえて運搬する母親レミングや、川を上手に泳いで渡るかわいらしいレミングの様子が紹介されていますが、この集団移住の際には事故や飢え、誤って海に飛び込んでしまい溺死するなど多くの犠牲が起こっているようです。