ずんぐりむっくりした体型で、二本足で立ち上がって短い手を器用に使って餌を食べている姿がなんとも愛嬌のある可愛さのプレーリードッグ。
ペットとして飼育されることも人気のプレーリードッグは、ネズミ目リス科プレーリードッグ属に分類されるげっ歯類の動物です。
プレーリードッグ(草原の犬)と言われていますが犬ではなく地上に生息するリス(ジリス)の仲間です。
なぜリスなのに「ドッグ」と呼ばれるようになったかというと、仲間に危険を知らせる時の鳴き声が犬のような鳴き方をするからと言われています。
今回はプレーリードッグの生態や性格、寿命などのほか、ペットとして飼育されているかわいいプレーリードッグの赤ちゃんの動画をご紹介したいと思います。
プレーリードッグの仲間は北アメリカ大陸の草原地帯に巣穴を掘って生息しています。
現在は5種類のプレーリードッグが存在しており、
●オグロプレーリードッグ
尾が黒いのが特徴の最も一般的な種類で、日本でプレーリードッグと言われる際はこのオグロプレーリードッグを指します。
●ガニソンプレーリードッグ
コロラド州やアリゾナ州に生息する種類。
●メキシコプレーリードッグ
メキシコに生息する種類で、絶滅危惧種に指定されています。
●オジロプレーリードッグ
尾が白いのが特徴の、標高の高い地域に生息する種類。
●ユタプレーリードッグ
ユタ州のみに生息するやや小型の種類で絶滅危惧種に指定されています。
以上の5種類となります。
害獣として人間に駆除されてきた結果、プレーリードッグの生息数は減少してきていますが、
特にメキシコプレーリードッグとユタプレーリードッグは生息数が著しく減少してきており、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに絶滅危惧種に指定されています。
プレーリードッグの大きさとして、体長は30~40cm、体重は700~1400g程度、オスの方がメスよりもひとまわり大きな体格をしています。
プレーリードッグの寿命ですが、野生ではコヨーテやアナグマ、ワシやタカなどの猛禽類など天敵が多いため2~4年程度です。
実際、生まれてから1年後のプレーリードッグの赤ちゃんの生存率は50%ほどです。
対してペットや動物園など天敵がいない飼育環境では7,8年程度となっています。
げっ歯類のプレーリードッグの特徴となっている鋭い前歯は、頻繁に硬いものを噛んで伸びすぎないように調節しています。
また、緊張したり驚いた時、また威嚇する時などはお尻から臭いを発する事も特徴です。
草食動物のプレーリードッグはイネ科の草や茎などを主に餌としますが、水分の補給も餌となる植物から摂取します。
プレーリードッグの生態として、プレーリードッグは1匹のオスと数匹のメスとその子供たちからなるコテリーと呼ばれる群れで生活する一夫多妻制の動物です。
コテリーによっては数百匹規模物大きさになるものもあります。
地中にトンネルを掘り巣穴で生活していますが、このトンネルの出口は複数作られているのが普通です。
プレーリードッグのオスは縄張り意識が非常に強く、自分のテリトリーに他のオスが入ってくると、お尻の臭腺から臭いを出し威嚇したり、さらにはトンネルの中で生き埋めにしてしまうこともあります。
メスは35日ほどの妊娠期間を経て、通常1回の出産で3~4頭の子供を出産します。
また、プレーリードッグは巣穴を作る際にかきだした土を使用し土で盛り上げた見張り台を作り、ワシやコヨーテなどの天敵を発見すると「キャンキャン」という鳴き声を発し仲間に警戒を伝えるといった社会性の高い生態をしています。
プレーリードッグの性格ですが、野生では多くの肉食動物に捕食される側の動物なので警戒心が非常に強く臆病な性格をしています。
ですがコテリーでコミュニティを築いて生活しているので、非常に社会性があり他のプレーリードッグとすれ違う時にはお互いにキスをして挨拶をしたりもする優しい性格を持っています。
人間にも良く懐き、撫でられるのが大好きなプレーリードッグはペットとしても人気ですが、すごく寂しがり屋さんで常にかまってあげていないとストレスを感じてしまう性格なので、
ペットとしてプレーリードッグを飼育する際は飼い主は多くの愛情を注ぐことが必要な動物です。
プレーリードッグの掘った穴に足を取られ家畜がケガをしたり、家畜のエサとなる牧草を食べ荒らすなどの理由でかつてプレーリードッグは牧場を荒らす害獣として駆除され、その生息数は大きく減少(20世紀初頭より98%も減少)してきています。
保護活動が進んでいるところもありますが、現在でも毒ガスで殺したりや生きたまま掃除機で吸い込むなどによりプレーリードッグが駆除される事例も起きています。
現在、日本でのプレーリードッグの輸入は禁止されており、日本国内に流通する個体数も少ないことからペットとしての販売価格も非常に高く、プレーリードッグ1匹の値段は20万円以上にもなっています。
さらになんでもかじってしまうかじり癖や臭いの問題、また寂しがりの性格のため日本でペットとして飼育するのは犬や猫を飼うほど簡単ではないようです。
今回はアメリカの家庭で飼育されているペットのプレーリードッグの赤ちゃんの様子を撮影したYoutube動画のご紹介です。
かわいい赤ちゃんが同居のネコに興味を持って恐る恐る近づいていくも、ビックリして逃げて行ったり後ろ足で立ってまわりをキョロキョロ見まわしたりと、好奇心旺盛な遊び盛りのプレーリードッグの赤ちゃんの動画です。