チンパンジー、ゴリラと並び知能の高い霊長類に分類される、「森の人」とも呼ばれるオランウータン。英語でorangutanと呼ばれるのもこの「森の人」からきています。
大人のオランウータンは、3~4歳の人間の子どもと同じくらい賢い知能を持っているとも言われています。
また、霊長目ヒト科に分類されるオランウータンは、遺伝子の95%以上が人間と一致するとも言われている、我々人類に最も近いと言われる野生動物のひとつです。
オランウータンの生息地は、マレーシア、インドネシア、ボルネオなど東南アジアの熱帯林です。
世界でもボルネオ島とスマトラ島にしか生息していません。
ボルネオ島に住むのがボルネオオランウータン、
スマトラ島に住むのがスマトラオランウータンとなり、オランウータンはこの2種となります。
低地の熱帯雨林に生息し、他の類人猿のゴリラやチンパンジーと異なり地上にはほとんど降りてこず、ほぼ一生を木の上で生活する樹上生活者です。
ボルネオオランウータンの体長は、オスが1~1.5m前後、メスが80~90cm前後となり、オスの体重は60~90kg、メスの体重は40~50kgぐらいとなります。
全身は赤茶色の長い毛で覆われています。
オランウータンの野生での寿命は、30~50年となります。
チンパンジーやゴリラなど他の類人猿同様、非常に長寿な野生動物です。
大人のオランウータンの強いオスには、顔の両脇にある「フランジ」と呼ばれる張り出し(でっぱり)があります。
このフランジは強いオスの「しるし」であり、弱いオスは何歳になってもフランジが大きくなりません。
このフランジの大きさは、いわばオランウータン社会においての序列、地位をあらわしたものです。
またリーダー各のこの大きなフランジのオスは、ヒゲを蓄えのど袋をもち、体毛はより長くて荒く赤みを帯びた外見的特徴があります。
オランウータンの食性は基本的に草食で果物や若い木の葉がほとんどです。
野生のドリアンやイチジクなどが好物のようですが、樹液、木の皮、甲虫の幼虫や昆虫、鳥の卵、小動物なども食べます。
同じ霊長類でも積極的に肉を食べるチンパンジーとは異なり、オランウータンは基本的には穏やかな食性、性格の持ち主です。
オランウータンは低地の熱帯雨林に生息し、群れを作らず単独で行動します。
ほぼ一生を木の上で過ごす樹上性のサルで、夜は眠るための巣も毎日作ります。
オランウータンは樹上10~15m程のところに周囲の枝を折り曲げたり、もぎ取った枝を加えたりしながら直径80~90cmほと゛のお椀型の「ヘ゛ット゛」を作り寝ますが、子供のオランウータンは独立するまでは母親と一緒に眠ることが多いです。
オランウータンの知能はかなり高いですが、性格はチンパンジーなどとは対照的で、いつもむっつりとしてだるそうに座り込んでいて、活発に動き回るようなことはありません。
オランウータンの個体数は100年前に比べると約80%も減ったといわれ、絶滅危惧種に指定されています。
人間の開発に伴う森林伐採による熱帯雨林の破壊や森林火災での生息域の減少や、ペット、展示用などとしての密猟などが原因です。
一生を木の上で過ごすオランウータンは、毎日木から木へとその長い腕を使って移動しているので、握力が半端なく強いです。
人間の握力は成人男性で約40kg、力士で約100kg程度と言われていますが、オランウータンの握力は300kg以上とも言われ、まさに人間の10倍近くもの握力を持っています。
下記の動画は、ボルネオオランウータンの知能の高さがよくわかるYoutube動画です。
石けんで腕を洗う様子や日曜大工をする様子などに、“トランプ大統領よりも賢い”“もし宇宙人が見たら人類もオランウータンも同じに見えるね”といったような海外のコメントも多数投稿されている人気動画です。