特徴的な赤と青の色鮮やかな顔つきはまるで歌舞伎役者のような外見のマンドリル。
さらに毛が生えていないおしりは鮮やかな青色をしており、まさに天然の化粧を施した哺乳類で一番カラフルな野生動物です。
ヒヒの仲間であるマンドリルは、オナガザル科マンドリル属に分類される大型の霊長類で、英語ではMandrill(人間のようなサル)と言われています。
今回はマンドリルの色鮮やかな顔やおしりの様子、生態や特徴のほか、交尾もしているマンドリルの動画をご紹介したいと思います。
マンドリルの生息地は、アフリカ大陸西部の赤道ギニア、カメルーン、ガポン、コンゴの熱帯雨林に生息しています。
マンドリルの体の大きさは、オスの体長は80~90cm程度、メスの体長は50~60cm程度、
オスの体重は20~30kg程度、メスの体重は10~15kg程度と、メスはオスの半分程度の大きさとなります。
マンドリルのおしりには毛が生えておらず、オスのおしりは鮮やかな青色をしています。
マンドリルのこういった色鮮やかな体色は、森林の茂みの中などで仲間を見つけ出すのに役立っていると言われています。
マンドリルの野生での寿命は20年ほど、動物園など飼育環境では30~40年程度になると言われています。
マンドリルの身体的な特徴としては、やはり哺乳類一番のそのカラフルな顔とおしりですが、おしりには毛が生えていません。
また犬歯は非常に長く5cmにもなり、仲間とコミュニケーションを取る際や天敵を威嚇する際などにはむき出しにしますが、時には強力な武器としてヒョウなどの天敵にも牙を剥きだして立ち向かっていくことがあります。
またマンドリルの頬袋は非常に大きく、胃の中と同程度の食べ物を口の中に蓄えておくことができるので、手足を自由にさせながら食べ物を運搬できるのです。
マンドリルは草食中心の雑食動物で、木の葉、果実、種、根やキノコなどのほか、トカゲ、ヘビ、カエルなどの爬虫類や両生類、鳥類やその卵、そして昆虫なども食べ物にします。
ほんとになんでも食べる食欲旺盛なサルのようです。
マンドリルの生態ですが、リーダーのオスを中心として複数のメスとその子どもたちからなる20頭ぐらいの群れで生活しています。
昼行性のマンドリルは夜間は木の上で寝て日中は地上で活動しますが、食べることが大好きなマンドリルは活動している間はほとんど餌をもとめて移動しています。
他の類人猿の生態同様に、マンドリルも高い社会性を持っていて、お互いに毛づくろいなどによって争いを収めたり絆を深めたり、また寄生虫の予防をしたりしています。
またマンドリルの特徴となっているその鮮やかな顔ですが、ひときわ鮮やかな顔だちをしているオスがリーダーとなり群れを統率しています。
これもオランウータンのフランジとおんなじような感じですね。
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さらにこの鮮やかさはメスへの強いアピールともなるため、より色鮮やかな濃い顔つきをしたオスはたくさんのメスにモテモテとなりまさにハーレム状態となります。
妊娠したメスはおよそ半年間くらいの妊娠期間を経て、1回の出産で1頭の子どもを出産し、8カ月程度は授乳で子育てします。
群れの子どもたちは他のメスのマンドリルたちも協力し合って子育てするという生態を持っています。
森の奥深くに生息するマンドリルは用心深い性格をしていますが、一面には荒い性格も持ち合わせており、相手を威嚇するときには大きく口を開け鋭い犬歯で威嚇します。
野生のマンドリルの天敵はヒョウのほか、アフリカニシキヘビですが、子どもはワシなどの猛禽類に捕食されることもよくあるようです。
マンドリルの生息地となる森林伐採による生息地の減少や商業目的の狩猟などによりマンドリルの生息数は大きく減少し、現在絶滅危惧種に指定されています。
さらにマンドリルが生息するアフリカの地域によっては、マンドリルを食用として食べる習慣がある人々もおり旅行者などにごちそうとして提供されています。
人間による紛争や、ライオンやゾウのようにメジャーな動物でないためなかなか保護活動が進んでいないようですが、高い社会性のある生態を持つマンドリルについても手遅れになる前に保護区の設置や現地住民への啓蒙活動などを進めて、生息数の増加につなげて欲しいものです。
今回はマンドリルの生態を紹介している動画のご案内です。
色鮮やかなマンドリルの顔やおしり、またオスのマンドリルがメスと交尾している様子など、マンドリルの群れの様子をご覧ください。