百獣の王ライオンも生まれたばかりの頃は、目も見えず非常に無防備で、お母さんのおっぱいにむしゃぶりつくことしかできません。
ハイエナなど他の肉食動物に襲われ命を落とすこともしばしばあります。
実際、他の肉食動物による捕食、母親による育児放棄、餓死などにより赤ちゃんライオンの死亡率は非常に高く、ライオンの子どもが2才まで生きられる生存率は20%程度です。
一夫多妻制のライオンは、群れ(プライド)のリーダーであるオスと5~10頭程度のメスとその子供たちからなる群れを作って暮らしています。
メスライオンは100日間前後の妊娠期間を経て、1回の出産で通常2~3頭の子どもを出産します。
出産の際はメスは群れ(プライド)から離れて出産し、生まれて間もない小さな赤ちゃんたちを草むらややぶの中に隠します。
6週間程度は群れから離れて母親ひとりだけで子育てし、子供たちがプライドについていけるくらい成長したら母親と子どもたちはプライドに戻ります。
プライドに受け入れられた赤ちゃんライオンたちは、自分の母親以外のメスからも授乳させてもらい、プライド全体で新しい家族を育てていくのです。
この時に母親は自分の子どもたちを初めてリーダーのオスライオンに紹介するのですが、この時がまさに緊張の瞬間です。
オスライオンは自分以外の子どもだと殺してしまういわゆる「子殺し」をします。
子育て中のメスは発情しないため、他のオスの子どもを殺すことによってメスの発情を促し、そうすることによって自分の遺伝子を多く残そうとするのです。
実際オスライオンがプライドのリーダーとして繁殖ができる期間は2,3年と非常に短く、老いて衰えてくると他の若いオスライオンにプライドを乗っ取られてしまいます。
群れを追い出されたオスライオンは一人でサバンナを放浪するしかなく、他のオスライオンとの闘いによるケガや飢えが原因で死んでしまうのです。
ですからオスライオンの寿命はメスライオンに比べて短くなります。
そんな生まれたての赤ちゃんたちがヨチヨチ歩きで群れのボスのオスライオンと初めての対面。
自分の子どもだと認めてもらえなければ有無を言わさずオスに子殺しされていまします。
かわいい赤ちゃんライオンたちは無事にプライドに迎え入れてもらえるのでしょうか?
そんな母親ライオンの緊張が伝わるYoutube動画です。