キングペンギン(オウサマペンギンとも)は、ペンギン目ペンギン科オウサマペンギン属に分類される鳥類です。
尾羽まで届きそうな長いフリッパーをバタつかせながらヨチヨチ歩く姿は、日本の動物園や水族館でもよく見られるポピュラーな野生動物で、最近ではけものフレンズの新フレンズとしても登場しています。
キングペンギンは、南半球の南極のすぐ北の比較的温暖な亜南極の海域や島々に生息しています。
繁殖地は南大西洋とインド洋の南緯45度から55度にかけて位置する亜南極の島々となり、南大西洋ではフォークランド諸島、サウスジョージア島の他、最近では南米のパタゴニア地方でも繁殖コロニーが形成されており、
インド洋南部ではプリンス・エドワード諸島、クロゼ諸島、ケルゲレン諸島、ハード島とマクドナルド諸島、オークランド諸島などとなります。
皇帝ペンギンと違い、南極大陸には生息していません。
エンペラーペンギン(皇帝ペンギン)に次いで二番目に大きいペンギンであるキングペンギンの大きさは、体長85-95cm、体重12-16kgとなり、寿命は15~20年ほどとなります。
皇帝ペンギンが発見されるまではキングペンギンが最大のペンギンと考えられていて、キング(王様)と名付けられたのですが後に南極大陸に探査の手が伸びた結果、さらに大きなコウテイペンギンが発見され、名にEmperor(皇帝)が付けられたという経緯があります。
キングペンギンは陸上ではよちよちと歩く動きがのろい動物ですが、水中では100~300mのほど海に潜って非常に機敏に泳ぎ、ハダカイワシなどの小魚、イカ、タコなどを捕まえていきます。
キングペンギンはコロニーと呼ばれる群れを作って集団で繁殖活動する生物です。
このコロニーは大きいものだと10万羽以上ものキングペンギンが集まるコロニーもあります。
巣は作らないですが、縄張り意識は強くコロニーの中でも日常的に小競り合いをしています。
繁殖コロニーは、雪や氷がない谷間や水平な土地や低地に作られます。
キングペンギンは1個の卵を産み、皇帝ペンギン同様、足の上に卵を乗せだぶだぶしたお腹の皮(抱卵嚢)をかぶせて卵を温めます。
オスとメスで交代しながら50日間程度卵を温め、ヒナが孵化します。
孵化して5,6週間は親鳥の足元で育てられますが、その後は共同保育施設「クレイシ」に合流し他のヒナと一緒に過ごします。
夏の間の海は餌が豊富なので、オス、メス共に多くの給餌をヒナに行い、ヒナの体重は親の8割ほどの大きさまで成長します。
クレイシにはたくさんのヒナが群れていますが、餌を取りに海に行っている親鳥たちに代わって、1羽の大人のキングペンギンが子供たちの見張りをしています。
本当にこのキングペンギンのヒナはヒナらしからぬでかさです。
茶色いもふもふとしたずんぐりむっくりした体はもはや親ペンギンと見分けがつかないぐらいの大きさになります。
寒さが厳しくなると親は2週間に1回ほどしか餌を与えなくなり、ヒナたちはクレイシを形成し、ヒナ同士体を寄せ合い寒さから身を守ります。
冬の間は体に蓄えた脂肪を消費して生き延びますので、春を迎える頃にはヒナの体重は半分にまでなります。そのために夏の期間は蓄えられるだけ脂肪を蓄えてでかくなっていたのです。
春になると再び親は餌を与え始め、ヒナが灰色の羽が抜け始める頃巣立ちます。
このようにキングペンギンの子育ての期間は長くなり、かつ厳しい冬を超えられずに凍死、餓死するヒナも多いので、キングペンギンの子供の生存率は非常に低いものとなります。
大人のキングペンギンを捕食する天敵は、ヒョウアザラシ、シャチであり、卵やヒナの時は、オオドウゾクカモメ、サヤハシチドリ、オオフルマカモメなどとなります。
大人のキングペンギンとコウテイペンギンは多くの人が間違えるほどその外見がよく似ていますが、キングペンギンのヒナとコウテイペンギンのヒナは全く見かけは異なり、キングペンギンのヒナは茶色の羽毛で覆われ、ヒナとは思えないほどデカくなります。
今回は大人と変わらないほど大きく成長したまるで茶色のたわしのような赤ちゃんキングペンギンが、まるで相撲レスラーのようなステップでダンスを踊っている爆笑動画です。
酔っぱらったおっさんのような足取りで群れの中に突っ込み結局こけてしまう動画ですが、この赤ちゃんペンギンは(赤ちゃんとは言えないほどでかいですが)、一体なにをしたかったのかは謎です。