のっぺりした顔、まるまる太ったメタボ体質のような太ったお腹に短い足の外見で、のんびりした性格だと思われがちなカバ。
動物園などで見ても、大きなあくびをしてゴロゴロしているイメージからとても凶暴な性格には思えませんが、実はカバは動物界最強と言われるほど強い野生動物です。
カバは偶蹄目カバ科カバ属に分類される動物で、英語で「Hippopotamus(略してhippoとも)」と呼ばれています。
本日は動物園でもおなじみの動物であるカバの生態や生息地、ワニからヌーを横取りしている動画などをご紹介したいと思います。
野生のカバの生息地は、アフリカ大陸の中部や南部の湖、川、沼の近くなど水辺となります。
半水生の哺乳類であるカバは、1日のほとんどを水の中で過ごしています。
カバの体長は3~4mほど、体重は2~4トンもの大きさとなり、陸上動物ではゾウに次ぐ大きさでサイと同程度です。
またカバの遺伝子的にはクジラに近い仲間です。
カバの寿命は野生で45~50年、飼育環境では50年以上も生きる長寿の動物です。
カバは顎の筋肉が非常に発達しており、鋭く尖った大きな歯を持っています。
噛む力は1トンにもなり、3mを超える大きさのナイルワニを軽々と投げ飛ばすほどのパワーの持ち主です。
従ってワニとカバがタイマンで喧嘩したらワニはカバには到底かないません。
またそのたぷたぷとした外見とのろまそうな性格のイメージに反し、カバの走る速度は以外にも速く、時速40kmものスピードで走ることができます。
さらに、野生動物による人間の年間死亡者数はワニよりもカバの方が圧倒的に多く、現地ではカバは最も危険な動物と恐れられています。
アフリカでナイルワニの犠牲になる人の数は年間100人程度ですが、カバの犠牲になる人の数は年間3,000人にもなるのです。
こういった事実からもカバはワニよりも強い動物であると言えますし、実際大人のカバには天敵と呼べる動物はいません。
その気性の荒い性格もあいまって、最強の野生動物と言われる所以となっています。
草食動物のカバの食べ物は草、根、果実などで、1日で40キロほどの量を食べます。
カバは稀にインパラやシマウマなど他の野生動物を食べる事が報告されており肉食動物のようにも思われますが、これは不足している動物性の栄養素を補っているだけだと思われています。
カバの消化器官は肉を消化するのに適しておらず、食べ物の中心はあくまでも草となりますので、カバは草食動物に分類される動物となります。
カバの生態ですが、一夫多妻の群れで生活し、ボスとなるオスのカバと複数のメスのカバ、その子どもたちからなる20~30頭ほどの群れを作ります。
メスのカバは8ヵ月ほどの妊娠期間を経て、1回の出産で通常1匹の赤ちゃんを出産します。ちなみにカバは交尾も出産も水中で行います。
赤ちゃんカバは生後6ヶ月くらいまでは母親の母乳で育てられ、その後7歳くらいまでは母親のそばで子育てされ、その後オスのカバは群れから独立していきます。
カバの群れはそれぞれ縄張りを持って暮らしていて、ボスのカバはシッポで糞をまき散らす行動が見られますが、これは自分のにおいをつけて縄張りを主張する行為です。
カバはその見た目から温厚でのんびりした性格にみられますが、縄張り意識が非常に強い動物で、自分たちの縄張りに入ってきたワニ、ライオンといった肉食動物のほか、他のオスのカバに対しても執拗に攻撃し自分たちのテリトリーから排除します。
カバはピンクの粘液を出すことから、カバの「赤い汗」や「血の汗」などと呼ばれていますが、これは皮膚を乾燥や紫外線から守る日焼け止めの役割をしています。
かつてはアフリカのサハラ砂漠より南の大部分の地域に生息していたカバですが、農業用地としての開発によるカバの生息地の破壊、乱獲などによって個体数は減少しており、現在は国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧種に指定されています。
今回はワニvsカバの水中でのバトルの動画をご紹介します。
大移動中のヌーの川渡り中に1匹のヌーを仕留めたワニ、そこに大きなカバが近寄ってきてワニが捕えたヌーを横取りしようとワニを襲撃しています。
獰猛な肉食動物であるナイルワニをも蹴散らすカバの強さ、最強の動物ともいわれるバトルの様子をご覧ください。