ヘビの武器と言えばまず思いつくのが毒ヘビという言葉に代表されるように「毒」ですが、すべてのヘビが毒を持っているわけではありません。
しかし長い進化の過程で自然の生存競争に勝ち残ってきた生物は、毒に代わる様々な武器を持ち合わせています。
今回はそんな毒を持たないヘビであるヨーロッパヤマカガシの特徴や生態、死んだふりの動画などをご紹介したいと思います。
ヨーロッパヤマカガシはユウダ科ユウダ属に分類されるヘビで、河川や沼地などの湿った環境に適応している種類のヘビです。
英語でもGrass snake(草地のヘビ)と呼ばれ、その生態の特徴から名づけられているようです。
ヨーロッパヤマカガシは、アフリカ大陸北部から西アジア、ヨーロッパにかけて分布しており、草地や水辺など湿った環境に生息しています。
日本のヤマカガシとは近縁種ですが、日本に生息しているヤマカガシと違って毒は持っていません。
ヨーロッパヤマカガシの体長は120~200cmほどで、体の色は個体によって異なっており、褐色、緑褐色、暗緑色、灰色、黒色などをしており、頭の後ろの部分の明るい色の環状の斑紋と体の側面の黒の横縞模様が入っているのが特徴です。
ヨーロッパヤマカガシは泳ぎが得意なヘビで、頭部を水面から出して泳ぐことができます。
危険を感じると水中に潜って逃げる事もあり、水中に30分間も潜っていることができます。
肉食のヘビである野生のヨーロッパヤマカガシは、カエル、ヤモリなどの両生類や魚類、鳥類、小型の哺乳類などを餌としています。
逆にヨーロッパヤマカガシの天敵は、ワシやタカなどの猛禽類の鳥類や哺乳類、大型の爬虫類などです。
ヨーロッパヤマカガシは、危険を感知した時は急いで茂みや水中に逃げ込んだり、大きな声で威嚇したりしますが、それでも相手が怯まないときは仰向けになって死んだふりをして、アオダイショウのように異臭を発するという面白い生態を持っています。
この異臭は相手を攻撃するというのではなく、死体から発せられる死臭を真似たもののようで、ひっくり返って動かない+異臭で、擬死による防御策だと考えられています。
毒を持っていないヨーロッパヤマカガシは日本でペットとしての飼育に規制はありませんので、数は少ないですがヨーロッパヤマカガシを販売しているペットショップもあるようです。
今回はヨーロッパヤマカガシの必殺技である「死んだふり」の様子の動画です。
臭いニオイで攻撃されるのはたまりませんが、演技力はなかなかのものかと思います。