最強の捕食者と言われ、生態系の頂点に君臨する猛禽類のイヌワシは、タカ目タカ科イヌワシ属に分類される鳥類で、英語では「Golden Eagle」と呼ばれています。
イヌワシは日本国内にも生息しており、生息する東北のサッカーチームのベガルタ仙台や、プロ野球チームの楽天ゴールデンイーグルスがチームのキャラクターやチーム名としてイヌワシを用いていることから、日本でも比較的知名度の高い猛禽類です。
今回はイヌワシの生態や寿命、鳴き声、また険しい断崖で野生のヤギを捕食する狩りの動画などをご紹介したいと思います。
野生のイヌワシの生息地は、北半球の高緯度地域に広くに分布しており、メキシコ、アメリカ、カナダといった北アメリカ大陸、アジア、ヨーロッパまで広い地域に生息しています。
日本にも北海道から九州の山岳地帯までイヌワシは広く生息していますが、現在イヌワシは絶滅危惧種に指定されており、1965年に国の天然記念物にもなっています。
現在、日本国内のイヌワシの生息数は500羽ほどしか残っていません。
最強猛禽類の名に違わずイヌワシは非常に大きく、身体の大きさは全長75~95cm、翼を広げた大きさは2mにもなります。
体重は3~5kg程度が多いですが、最大で体重7kgにもなる個体もいます。
ワニやシャチなど、大型の生物は長寿となるケースが多いですが、イヌワシも野生での寿命は30年程度と長生きする鳥です。
さらに飼育環境では45年を超える記録も残っています。
イヌワシの身体的な特徴としては、獲物を即死させるほど強力で鋭い爪と肉を引きちぎる曲がったくちばしを持っています。
特に狩りの際にその強力な爪の威力は抜群で、ウサギやジリスなどは鋭い爪に体をえぐられ即死してしまったり、また自分よりはるかに体の大きいヤギやヒツジさえも空中で運んでいけるほど力強い爪の力を持っています。
またイヌワシは、時速190㎞もの飛行速度で獲物を追いかける事が可能なほど速い速度で飛べることもイヌワシの特徴となっています。
肉食のイヌワシは、鳥類や爬虫類のほか、ウサギ、ジリス、モルモットなどの小型哺乳類のほか、イノシシやシカさえも襲って食べてしまうほど恐ろしいハンターです。
上空を飛行中や崖の上からはるか遠くの獲物を探し、ターゲットを見つけると一気に急降下して仕留めるイヌワシの華麗な狩りは古くから人間の羨望の的になり、娯楽や食料捕獲用としての狩猟用に人間に飼育されたり、現代でも若鳥から飼育されたイヌワシがうさぎやキツネのハンティングなどに使われています。
イヌワシの生態としては、地域にもよりますが60~150平方キロメートルもの広大な縄張りを持ち、一夫一婦制の生活をしています。
大きな木の上や崖などに巣を作り、1回に1~4個の卵を産み、主にメスが40~45日ほど卵を温め、3か月ほどでヒナは親元から独立していきます。
ですが、先に卵から孵化した兄や姉が後から孵化した弟や妹を殺してしまういわゆる兄弟殺しをするので、普通は1羽しか無事に巣立つことができません。
イヌワシは、大人になれば自然界に天敵はいないほどの最強猛禽類ですが、厳しい生存競争は子ども時代の身内にあるのが生態の特徴です。
イヌワシが鳴くことはあまりありませんが、「ピィーウ」や「ポィョー」といった鳴き声で鳴くようです。
多摩動物公園などでイヌワシが飼育されているようですので、実際にイヌワシの鳴き声を聞いてみたい方は動物園に行けば運が良ければ鳴き声が聞けるかもしれませんね。
今回の動画は、イヌワシが崖の急斜面に生息する野生のヤギを捕食してしまう狩りの動画です。
自分の何倍もの体重があるヤギに対して、鋭く強力な爪で掴みこんで巣に持ち帰っていく様子や、険しい崖からヤギを落下させ転落死させてからゆっくり食べる狩りの様子など、イヌワシの狩りのスキルの高さがわかる動画です。