最上位捕食者として生態ピラミッドの頂点に位置するオオタカ(大鷹)。
タカ目タカ科に属する中型のタカですが、日本ではタカといえばオオタカを指すことがほとんどです。
ワシやフクロウと同様に猛禽類で、獲物を捕まえるための鋭く力強い足や爪、鉤型に曲がったくちばしを持つことが共通の特徴です。
タカはその力強さや美しさから、日本のプロ野球チームやアメリカのNBA、NFL、NHLといったプロスポーツチームにて「ホークス」という名称が使われている人気の高い野生動物です。
オオタカの生息地は、日本でも南西、南方諸島を除くほぼ全域に生息しており、東京の高尾山でも野生のオオタカが観察できます。
世界的にも北半球のユーラシア大陸から北アメリカ大陸にわたる亜寒帯と温帯地域に広く分布しています。
山地の森林から平地の緑地から都市部に至るまで広い範囲を生息域としている野生動物です。
オオタカの体長は47~59cm、翼を広げた大きさは105~130cm、体重500~1200g程度で、カラスと同じくらいの大きさです。
オスよりもメスの方が大きいのが特徴で、繁殖期の子育ての際には体の大きいメスの尻に敷かれている「恐妻家」の様子などが観察されます。
オオタカの寿命は、野生では11,12年ですが、飼育環境では40年近く生きたという例もあるようです。
オオタカの外見的な特徴としては、かぎ型に曲がった鋭いくちばし、鋭い黄色の眼でその周りが黒くなっています。
足も鮮やかな黄色で、体の前面に横帯の斑点模様があります。
対して、生まれたばかりのオオタカのヒナは白い羽毛ですが、生後1か月もたった幼鳥は全体的に茶褐色で、お腹の斑点模様は縦になっています。
オオタカの幼鳥は生後1年間程度はこの茶褐色模様をしていますが、徐々に成長の模様へと変化していきます。
猛禽類のオオタカは、キジ、カモなどの中型の鳥類をよく食べますが、リスや野ウサギ、ネズミなどの小型哺乳類も捕食します。
近年、都市部に生息するオオタカは中型のハトやカラスを食べることも多く見られます。
オオタカは様々な鳴き声をシチュエーションによって使い分けており、「キィーキッキッキッ」や「カァカッカッカッ」などと鋭い声で鳴きますが、餌をとって巣に帰ってきた子育て中のオスは「ケーッケーッ」と鳴きながらメスに餌を渡し、幼鳥は「ピャーッピャーッ」と鳴き餌をねだります。
自然界の最上位捕食者であるオオタカには自然界に天敵はいませんが、卵やヒナの時はカラスが天敵となり捕食される事があるほか、同時期に生まれた兄弟同士での生存競争もあり、いわゆる「兄弟殺し」の様子も確認されています。
美しく威厳のある外見と、一度狙った獲物は執拗に追い続けるほどの執念深い性格を持つオオタカは、古来より鷹狩りに使われており4世紀末の仁徳天皇の時代にはすでに鷹狩りが行われておりました。
戦国時代から江戸時代には特に流行し、大名や武将たちはそれぞれ鷹匠を雇ってオオタカを飼育し、それぞれ自慢しあっていました。
現在でいうところの高級時計や高級バックのように、当時のステイタスシンボルとなっていたようです。
現在でも鷹狩りは行われており、鷹匠が飼育しているタカを使用していますが、現在日本でタカの捕獲や飼育は禁止されているので、海外から輸入されているオオタカのみを使用しています。
日本のオオタカは、人間による森林開発などで生息数が激減してしまい1980年代には約400羽まで減ってしまって、「国内希少野生動物」に指定されましたが、その後の熱心な保護活動により急速に生息数が回復し現在は環境省により指定の解除が検討されているようです。
美しき最強ハンターであるオオタカが、北アメリカに生息する野うさぎ(ジャックウサギ)を捕食する野生での狩りのYoutube動画です。
自然界の野生環境で行われているこのドラマティックな生死の攻防をご覧ください。