ごつごつした鱗で鎧のように全身覆われているワニ、鋭い歯を備えた大きな口、長いトカゲのようなしっぽを備えたその姿はまるで肉食恐竜の生き残りのようです。
実際ワニの生息地であるアフリカやアメリカ、オーストラリアなどでは年間多くの人間がワニに襲われ犠牲になっているほど凶暴で危険な生物です。
そのワニの種類の中でクロコダイル属に分類されるナイルワニの生息地は、サハラ砂漠と南端部を除いたアフリカ大陸と、アフリカ大陸の東に位置するマダガスカル島の西部の、主に川や湖、湿地帯に生息しています。
体長は4~5.5m、体重は220~320kgにもなる大きな爬虫類で、淡水域の生態系において生態ピラミッドの頂点に立つ最上位の捕食動物です。
そんなナイルワニの中でも、伝説級の大きさの超巨大な人食いワニ「ギュスターヴ」がいます。
ギュスターヴは、ブルンジのタンガニーカ湖とルジジ川に生息する、全長6~7mと推定される巨大なナイルワニで、イリエワニの大物にもひけをを取らないサイズです。
ナイルワニの寿命はだいたい約50年と言われていますが、このギュスターヴは推定100歳だと言われています。
このギュスターヴによる犠牲者は300人以上と言われていますが、2008年以降目撃情報がなく現在は生死不明となっています。
ナイルワニの顎の噛む力は1~2トンになるほど強力で、噛みついた動物はなかなかナイルワニの口から逃れられず、バッファローやシマウマといった大型哺乳類でさえ水中へ引き込まれていきます。
そして獲物に噛みついたまま、「デスロール」呼ばれる自分の身体を回転させて獲物の肉を引きちぎって行く方法で肉を食べていきます。
成長したナイルワニは食物連鎖の最上位に位置し、自然界には天敵はほとんどいませんが、稀にライオンに襲われることもあります。
ですがナイルワニも水辺に寄って来たライオンを水中に引きずり込んで捕食することもあります。
ナイルワニ対ライオンの戦いでは、自分のテリトリーに引き込んだ方が勝つという事なんでしょう。
さて、2016年に南アフリカ共和国のクルーガー国立公園(Kruger National Park)で撮影されたナイルワニの狩りの動画です。
湿地帯の水たまりで水を飲んでいるインパラたち、そこにそっと忍び寄る大きなナイルワニ。
ワニの存在に気づいてないのか、はたまた気づいていても水を飲み続けたいほどのどが渇いているのか!?
そこに勢いよく襲い掛かるナイルワニ。インパラの運命やいかに!?
ナイルワニのデスロールも炸裂する大迫力の捕食動画です。