外見や習性もオオカミにそっくりなコヨーテは、「小さなオオカミ」とも呼ばれているイヌ科イヌ属に分類される哺乳動物です。
寒冷地帯、山岳地帯、砂漠地帯、また人間が生活する都市の環境などあらゆる環境に適応し、また「技のデパート」といわれる獲物に応じた様々な狩りの手法によってその生息域や生息数を拡大させていっており、地球上最も適応能力の高い動物のひとつと言われています。
今回はアメリカでカードゲームとしても発売されるなど、北米大陸で反映している「小さなオオカミ」コヨーテの生態や特徴、狩りの動画などをご紹介したいと思います。
コヨーテの生息地は、北アメリカ大陸北部のアラスカ、カナダから中央アメリカのメキシコやパナマに至るまで広く生息しています。
主に森林地帯や低木地帯、平原地帯などに生息していますが、湿地や砂漠地帯、山岳地帯や都市部などコヨーテは様々な環境に適応して広く生息しています。
コヨーテの体長は75~105cm程度、体重は8~20kg程度となります。
大きな耳と突き出した鼻はキツネやオオカミにそっくりですが、オオカミよりも小さな体をしています。
またコヨーテの野生での寿命は10~15年程度、動物園など飼育環境では15~20年程度となります。
コヨーテの身体的な特徴として、鋭い聴覚、嗅覚、視覚を使って獲物を見つけ出し捕食します。
また運動能力も大変優れており、時速65kmものスピードで走ることができ、かつ強靭なスタミナも持っているので長い時間獲物を追い続け、獲物が疲れ果てたところを襲い捕えます。
野生のコヨーテは肉食が強い雑食動物なので、ネズミ、ウサギ、プレーリードックのような小動物のほか、鳥やその卵、爬虫類などを主に食べますが、死肉や果物などなんでも食べます。
また頭のいいコヨーテは自分よりも大きい鹿やポニーなど、仲間で組んで計画的に追い詰めて狩りをする様子も見られます。
さらに、人間の生活地域に生息するコヨーテは、ニワトリやヤギ、ヒツジなどの家畜、ペットの小さい犬や猫さえも捕食してしまいます。
ですのでかわいいペットがコヨーテの被害にあわないために、ペットフードなどを家の外に置きっぱなしにしたり、小さいペットを外でひとりで遊ばせないような注意喚起もされているようです。
コヨーテの生態ですが、まず高い適応能力があります。
えり好みなく何でも食べ、砂漠からツンドラ地帯までどんな厳しい生息環境でも順応し生きられる動物です。
またコヨーテの生態として、一夫一婦制の夫婦や家族単位で生活しており、犬のように尿でマーキングして自分たちの縄張りを主張します。
さらにオオカミのように日暮れ時には遠吠えする習性があり、1頭が鳴き始めると他のコヨーテも加わり数分間遠吠えを続けます。
コヨーテは土の中や岩の間などに巣を作り、メスは50~65日程の妊娠期間を経て1回の出産で通常4~7頭の赤ちゃんを産み、5~7週間は授乳で育てます。
肉食動物であるコヨーテの天敵は、競合するピューマ、オオカミのほか、子どもはイヌワシなど猛禽類も天敵となります。
コヨーテの性格は、長い間人間に対しては臆病な性格をしていると考えられていましたが、2009年にカナダで19歳の女性シンガーソングライターが2匹のコヨーテに襲われ死亡する死亡事件があり、コヨーテが人間に慣れてきてしまっているなど人間とコヨーテとの共存について意見が交わされています。
コヨーテは近縁のイヌやオオカミとの交配でも繁殖能力のある雑種ができ、コイドッグ(Coydog)やコイウルフ(Coywolf) と呼ばれています。
コヨーテが生息域を広げている一方で、絶滅危惧種であるオオカミの生息数を激減させている原因ともなっておりかつてはコヨーテの駆除などもされましたが、コヨーテの存在が生態系のバランスを保つ役割もあるので、保護と駆除の両面から様々な議論がなされているようです。
今回はアメリカの街中で白昼堂々、リスを捕食するコヨーテの様子を撮影した動画をご紹介します。
周りに人間がいても気にせず狩りを行うコヨーテ、まさに恐るべしです。
かわいいリスが貪られているグロい内容もありますので、苦手な方は閲覧注意をお願いします。