小さい頭に細くしなやかな身体、筋肉質ですらっとした4本の長い足の美しい肉食動物のチーターは、ただひたすら速く走ることに適応した陸上生物で最速の野生動物です。
またチーターと生息域が重なる鳥類最大となるダチョウは、英語ではostrich(オーストリッチ)と呼ばれており、皮革製品として装飾品や服飾品で広く高級素材として使われています。
200~300万年前からこの地球上に存在し、生きた化石とも呼ばれているダチョウは最速で走る鳥類となり、2足歩行する動物の中では世界最速です。
今回は陸上最速動物の肉食動物のチーターと鳥類最速の草食動物のダチョウとの生死をかけたデッドヒートの狩り動画、生態、特徴などをご紹介します。
チーターの生息地は、アフリカ大陸のサバンナ、半砂漠、低木林となり、人間の開発などによりその生息数は大きく減少してきています。
対するダチョウの生息地も、アフリカ大陸の中部から南部のサバンナや砂漠、低木林に生息し、ライオン、ヒョウ、チーターなど天敵となる肉食動物と生息地が重なります。
体の大きいダチョウですが、その体の大きさの割に脳の大きさが人間の眼球ほどで(人間の脳は1500gほど)、40gほどの重さしかないダチョウはあまり賢い動物とは思われていませんが、地球の長い歴史の中で過酷な野生の世界を生き抜いてきた知恵も持ち合わせた動物なのです。
両者の身体的な特徴としては、チーターの体長は1.1~1.5m、体重30㎏~70㎏程度とネコ科肉食動物の中ではライオンやトラのような大きさはなく非常に華奢な体をしています。
進化の過程で速さを追求してきたがために、対面での戦闘力はそぎ落とされてきたのです。
またチーターは非常に人間になつく性格をしていることも知られており、海外ではチーターをペットにしている動画も多数アップされています。
対してダチョウの体の大きさは2~2.5m、体重は100kgを超え、鳥類で最大の鳥となりチーターとの体格差は歴然としています。
ダチョウの翼は飛行能力を持っておらず、まさに鳥なのに飛べない鳥なのですが、その代わりに足の筋肉が非常に発達し鳥類最速のスピードで走ります。
またダチョウの強力なキック力は4.8トンもの威力があり、ライオンなど天敵となる肉食動物もダチョウの反撃にあうと死に直結する致命傷を受けるため、簡単には襲えないほど強力です。
もし人間がダチョウに蹴られたなら、肋骨の2、3本は折れてしまうでしょう。
オーストラリアに生息するエミューや南米に生息するレアのように、飛べない種類の鳥は非常に強力なキック力を持っていることが多いようです。
チーターの寿命が12~14年程度なのに対して、ダチョウの寿命は40~50年にもなる、非常に長寿の動物です。
チーターの生態の最大の特徴としては、やはりその走る速度ですが、加速能力も優れておりたった2秒たらずで時速70kmにも達します。
最高速度は時速110kmにもなるチーターですが、最高スピードで走れるのは500mくらいが限界なので、攻撃を仕掛ける前にできる限り獲物に近づき短時間で仕留めるようにします。
対して鳥類最速のダチョウが走る速度は時速60~70kmとチーターには及ばないものの、持久力があるので1時間以上の長時間にわたって走っている事が出来ます。
またダチョウは非常に視力がよく、5km先の動くものまで視認できるほど目がいいというのもダチョウの生態的な特徴となっています。
ダチョウの繁殖生態は一夫多妻制となり、一匹のオスと数匹のメスで繁殖活動を行います。
ちなみに体の大きなダチョウはその卵も巨大で、なんとニワトリの25倍もの大きさとなります。
メスの中でも序列があり、序列1位のメスが巣の中心に卵を産み、その周りにその他のメスが卵を産んでいき、オスが全ての卵を一緒に温めます。
これはその他のメスの卵で周囲を取り囲むことにより自分たちの卵を外敵から守り、また多くのヒナが生まれることで結果として自分の子どもたちの生存率を高めていこうというダチョウの戦略なのです。
ちなみに1990年代からダチョウの家畜化が世界に広まってきて、日本でもダチョウ王国のようなダチョウの牧場があちこちにできてきています。
ダチョウの肉は高タンパク・低カロリーのヘルシーな肉として知られてきており、ダチョウの肉や卵を使ったダチョウ料理がさかんにメディアでも紹介されています。
ダチョウの肉は鉄分豊富なおいしい赤身の肉のようですので、機会があったらぜひ食べてみたいものです。
ネコ科の肉食動物であるチーターは、ヒョウやトラなどと同様、基本的に単独で行動するので群れで狩りをする事は通常ありませんが、親元を離れた兄弟同士で協力して狩りを行うこともあります。
今回はそんなチーターの兄弟がダチョウを捕食する狩りの動画です。
陸上界の世界最速動物と世界最速の鳥とのスピード対決をご覧ください。