さまざまな種類のトラの中でも、ベンガルトラは最高クラスに大きく、またその美しさや恐ろしさから古くより畏怖の対象とされ、インド神話では神として登場しています。
現地では古くからトラのうなり声は3キロ先まで聞こえると言われていて、かつてはトラのうなり声を聞いた従業員がこぞって職場放棄して帰ってしまったという話もあります。
また最近ではTVアニメ「けものフレンズ」のアニマルガールでベンガルトラをモチーフにしたキャラが登場しており、日本でもその存在が知られてきています。
獰猛な肉食動物でまさに猛獣と呼ぶにふさわしいトラの中でも、最強と言われるベンガルトラの狩りの様子を、特徴や生態と合わせてご案内します。
ベンガルトラはインドやネパール、バングラデシュなどに生息しており、主に森林地帯に住んでいますが湿地帯や草原にも暮らしています。
ヒマラヤ地方では2,000mの高地にも生息しているベンガルトラもいます。
ちなみに、ベンガルトラは主にインドに生息していますので、インドトラとも呼ばれています。インドは現在2200頭もの野生のトラが生息している、世界一のトラの生息国でもあるんです。
ベンガルトラの身体的特徴として挙げられるのが何といってもその体の大きさです。
トラはネコ科動物の中でも最大級に大きい肉食動物ですが、ベンガルトラはそのトラの種類の中でも最大級となります。
オスの体長は、体長270~310cm、体重180~260kgとかなりの巨体です。
ひと回り小さいメスでも、体長240~260cm、体重110~160kgとなります。
ベンガルトラの体の色は、赤褐色やオレンジ色を帯びた茶色などで、お腹の部分は白くなっています。
縞模様は全てのトラにありますが、ベンガルトラの縞の数は他の種類のトラに比べて少なく、肩や胸などにほとんど縞がない個体もいます。
体毛は基本的に短いのですが、頬から首の部分の毛だけが長い、といった特徴があります。
ベンガルトラは、とりわけオスは広大な縄張りを持ち群れずに単独で狩りを行います。
茂みに隠れて獲物に近づき、獲物との距離を詰めてジャンプして獲物に飛び掛かり、強力な前足で押し倒し喉元に噛みついて仕留めるというスタイルです。
シカ、イノシシ、ノブタといった中型哺乳類のほか、ヘラジカ、ツキノワグマ、スイギュウといった大型動物も襲って捕食します。
インドゾウやクロコダイルを倒したツワモノの個体もいて、ベンガルトラの強さを示す例には枚挙にいとまがありません。
毎年人間にも多くの犠牲者が出ており、かつてはインドとネパールで436人もの人間を殺して食べた「チャンパーワットの人喰いトラ」と呼ばれる伝説的な人食いトラもいました(これはギネスブックに認定されています)。
そんな向かうところ敵なしの最強王者ベンガルトラですが、かつては約4万頭いた生息数が2,500頭まで減少し、絶滅が危ぶまれる絶滅危惧種に指定されています。
森林開発による生息地の破壊による人間とトラの衝突、ハンターにとってトラは最高の記念として、また権力者にとって権威の証の装飾品として多くのトラが殺されました。
またトラの骨は伝統的な漢方薬として闇取引で高値で取引されるので、トラの毛皮や骨を目当てに多くのベンガルトラが密猟されてきました。
現在では「トラは守るべきもの」という周辺住民への教育の浸透により保護の理解が高まってきており、保護区や保母プログラムの成果とあいまってベンガルトラの数が増加したというニュースもありました。
やはり巨体のベンガルトラの狩りは非常に迫力あります。
シカやイボイノシシなどものすごい速さで仕留めていきます。
その物凄いスピードと力で自分よりも大きな獲物を仕留めていくのはまさに肉食動物最強と言われる所以でしょうか。
こんな恐ろしい猛獣に出くわしたら人間なんかひとたまりもありませんね。
やはりトラに会うのは動物園だけでいいやと思えるほど、日常生活で絶対に遭遇したくない野生のベンガルトラの捕食動画です。