ツキノワグマ(月輪熊)は、食肉目クマ科クマ属に分類される哺乳類です。
ヒマラヤ地方から中国、朝鮮半島、日本にかけて分布している中型のクマで、別名アジアクロクマ、ヒマラヤグマとも呼ばれています。
日本に生息しているのは二ホンツキノワグマという種類です。
2016年に秋田県で起こった、タケノコ採りに山に入った人が次々にクマに襲われ4人が死亡した事件はまだ記憶に新しいですが、この時人間を襲撃し殺害し食べていたのも二ホンツキノワグマです。
熊というと、北海道に生息している巨大なヒグマをイメージすることが多いかもしれませんが、ツキノワグマも恐ろしい動物であることに変わりはありません。
今回は、ツキノワグマの生態や大きさや体重、食べ物などを動画と共にご紹介したいと思います。
ツキノワグマは、インド、ネパール、ブータン、ミャンマーなどヒマラヤ地方からタイ、カンボジア、ラオス、そして中国、朝鮮半島、台湾、日本とアジア地域にわたって広く分布しています。
主に山の中の森林地帯に生息しています。
アメリカやカナダに生息しているグリズリー(ハイイログマ)の仲間であるヒグマは日本では北海道のみに生息していて、ツキノワグマとは生息地が異なります。
二ホンツキノワグマは日本の本州と四国に分布しており、かつては九州にも分布していましたが現在では九州のツキノワグマは絶滅したと考えられています。
ツキノワグマは巨大なヒグマと比べると小ぶりな熊ですが、それでも本州最大の哺乳類で危険な動物であることに変わりはありません。
ツキノワグマの体の大きさですが、体長100~180cm程度、体重は50~150kgとなり、オスの方がメスよりも大きな体格をしています。
最大のオスでも体長180cm、体重150kg程度と、北海道に分布している巨大なヒグマと比べると小ぶりな熊ですが、それでもツキノワグマは本州最大の哺乳類で危険な動物であることに変わりはありません。
ツキノワグマの寿命は野生で20~25年ほどと言われていますが、動物園など飼育環境では35年以上も生きるようです。
ツキノワグマの最大の身体的な特徴は、胸に生えているV字型の白い毛がまるで三日月のような模様をしていることです。
和名の「月輪熊」もこの特徴が名前の由来となっていて、英語でもこの三日月模様の特徴を表して「Moon bear」とも呼ばれています。
動物園で見るといつものんびりして動きが鈍いイメージのあるツキノワグマですが、運動能力は非常に高く時速40kmもの速さで走ることができます。
また木登りや水の中を泳ぐのも得意なので、もしツキノワグマに襲われたら木の上に逃げても川を渡って逃げてもあまり意味はないようです。
獰猛なイメージのある熊ですが、ツキノワグマは雑食ですが主な食べ物は植物です。
どんぐり、クルミ、栗、山ぶどうなど木の実や木の葉などを主に食べています。
一見獰猛に見える熊の好物が木の実というのも少しかわいい感じがします。
他にも、シカやカモシカなどの死骸を漁って食べたり、アリなどの昆虫、ハチの巣を壊してハチミツを食べてタンパク源として補給するなど、大きな体に似合わず普段は結構おとなしい食生活をしているようです。
ツキノワグマの生態ですが、基本的には夜行性のため昼間は樹木の穴や岩の間などで休み、朝夕や夜に活発にえさを探しに動きますが、空腹時などは昼間でも餌を探し求めて活動します。
12~3月の冬から春にかけて穴の中で冬眠(冬ごもり)しますが、妊娠しているメスはこの時に通常2匹の子どもを出産します。
母グマは3カ月程度は授乳で子育てし、2年ほどは子どもと一緒に行動しその後子供は自立していきます。
ツキノワグマは元々臆病な性格ですが、オスは他のオスグマの子どもを殺す子殺しもするため、子どもと一緒の母グマは非常に神経質になっており、自分の子どもを守るため非常に攻撃的な性格になります。
ですので山道でかわいい赤ちゃんグマに出会ったとしても、その近くには恐ろしい母グマがいるということを肝に銘じておかなければなりませんね。
山の中で出会いたくないツキノワグマですが、農地の開拓やダム建設などの自然破壊による生息環境の破壊、毛皮や胆嚢目的での乱獲、ペットとしての幼獣の密輸などにより野生のツキノワグマの生息数も減少してきており、日本でも絶滅の危機に瀕している地域もあります。
今回はツキノワグマが木の実やハチの巣など好物の食べ物を食べている動画です。
体の大きなツキノワグマが木に登って小さな木の実を一生懸命食べている姿は少しかわいい感じもします。
コメント
自然破壊による減少って50年前の情報ですね。