マナティは海牛(カイギュウ)目ジュゴン科に属する海洋哺乳類ですが、マナティの祖先は牛よりもゾウに近い種となります。
インド洋沿岸部などに生息しているジュゴンと共に、昔から人魚伝説のモデルとされてきました。
このよく似たジュゴンとマナティですが、その違いがわからず混同されている方も多いかと思います。
本日は、フロリダのクリスタルリバーで撮影された野生のフロリダマナティの動画やジュゴンとマナティの違いなどについてご紹介したいと思います。
マナティは大きく3種類に分けられ、
北アメリカのフロリダ半島から、キューバやプエルトリコなどカリブ海に浮かぶ西インド諸島、メキシコやコスタリカなどの中米からブラジルなど南米にかけて生息している「アメリカマナティ」、
ゼネガルからアンゴラまでの西アフリカの河川や沿岸の汽水域に生息している「アフリカマナティ」、
コロンビア、ブラジル、ペルーなどののアマゾン川、エセキボ川流域に生息している「アマゾンマナティ」、
の3種に分類されます。
このうち最大となる種がアメリカマナティで、アメリカマナティはさらに「フロリダマナティー」と「アンティルマナティ」の2亜種に分類されます。
マナティは沿岸の汽水域や河口、河川、湖、池などを生息地としており、淡水域と海水域を回遊して生活していて、アマゾンマナティは一生を淡水域で生活します。
マナティで最大の種となるアメリカマナティーは、体長3~4m程度、体重は500kgほどですが、最大で1500kgほどになる個体もいます。
野生での寿命は30~40年程度と言われているが、飼育下ではフロリダの水族館で60歳を超えたアメリカマナティもいます。
ちなみに日本では、沖縄の美ら海水族館で飼育されているアメリカマナティーの「ユカタン」が推定39歳と最長寿となります。
マナティの体はずんぐりとして、灰褐色や紫がかったような灰色の体の色をしています。
食性は基本的に草食で、主にアマモなどの海草やホテイアオイなどの水生植物を食べますがが、お腹が減っているときはヤシの葉など水辺にある陸生植物も食べます。
フロリダマナティは基本単独か母子での行動をしますが、、冬季には温かい場所を求めて河口付近や発電所の暖かい排水が流れ込むような場所に大きな群れが出来ることが確認されています。
アメリカマナティーの天敵は人間以外いません。
食用の肉や皮を目的とした乱獲や、開発による環境変化、また人懐こく好奇心が強い性格のマナティは人間を怖がらず近づいてくるため観光用のボートとの接触などによる事故で命を落とすマナティが増えています。
特に近年では生息数が大きく傾向し絶滅危惧種に指定されています。
ですが、最近のマナティの保護活動の成果もあってか、2016年にフロリダでは回復傾向にあるといううれしいレポートも出されています。
マナティはジュゴンと共に昔から人魚のモデルとされています。
姿かたちが似ているこの2種類の水生哺乳類の見分け方ですが、一番簡単なのが尾ひれの形でしょう。
ジュゴンの尾ひれはきれいな三角形(半月形)になっていますが、マナティの尾ひれは丸いシャベルのような、うちわみたいな形が特徴です。
尾ひれの違いの特徴が、ジュゴンとマナティを見分ける最も簡単な外見的特徴ですが、それ以外にも、
マナティには爪があるが、ジュゴンには爪がない、
ジュゴンは海底の海草を食べまるが(よって口は下向き)、マナティは海面の水草を食べます(ジュゴンほど口が下を向いていない)、
などが特徴として挙げられます。
だからといってマナティが潜水が苦手なわけでは全くなく、ジュゴンと同等の潜水能力をもっており。15分くらいは潜水していることが出来ます。
下記はフロリダのクリスタルリバーで野生のマナティと触れ合っているうらやましいYoutube動画です。
人懐こい性格のマナティは人を怖がらずに近づいてきているので、ドアップの動画や赤ちゃんを連れた親子のマナティの様子がしっかりとらえられています。
軽快なミュージックと共に野生のマナティに癒される動画です。