重戦車のような重量感のある巨体で、グレートプレーンズのシンボルともなっているアメリカバイソン。
バイソンはウシ科バイソン属に分類されるウシの仲間ですが、アメリカバイソンはアメリカ合衆国やカナダではアメリカバッファローなどとも呼ばれています。
ネイティブアメリカンにとってバイソンは、食料や生活道具、また武器としての利用など、インディアンの時代から人間の生活に密接に関わってきたのがアメリカバイソンです。
本日はそんなバイソンの生態や特徴、天敵であるオオカミに襲われる捕食動画などをご紹介したいと思います。
バイソンは世界に2種類存在しており、
アメリカ合衆国やカナダの草原地帯であるグレートプレーンズに生息しているアメリカバイソンと、
ロシア南西部やポーランドなど東欧に生息しているヨーロッパバイソンがいます。
どちらも草原地帯や森林などが生息地となっています。
重量感のある体をしているバイソンの見た目の特徴として、その巨体は肩から背中部分にかけてコブのように盛り上がっています。
オスの方がメスよりも大きな体をしており、オスの体長は2.7~3.8m、メスの体長は1.8~2.4m程度、オスの体重は800~1000kg、メスの体重は350~550kgもの大きさになります。
また地面から肩までの高さも1.5~2mになる、まさに最重量級の野生動物です。
バイソンの野生での寿命は12~20年程度、動物園など飼育環境では25~30年程度にもなります。
バイソンの身体的な特徴として、冬の長い毛は耐寒性が高く体温の低下を防いでくれます。
またその巨体に似合わず足が非常に速く、時速65キロもの速さで走る事ができます。
草食動物のバイソンは、草や木の葉、芽、小枝などを食べます。
食料が乏しい冬の間は頭や角を使って雪をかき分け、地面に生えている苔などを食べる事もあります。
バイソンの生態ですが、アメリカバイソンは20~30頭ほどの群れで生活していますが、オスだけの群れ、メスとその子どもたちからなる群れとに分けられます。
ですが「カウ」と呼ばれるメスの群れと「ブル」と呼ばれるオスの群れが夏の繁殖期になると合流し大きな群れになります。
そこでオス同士が交尾の順位をめぐって争うのですが、1000kg同士の巨体のぶつかり合いはまさに大迫力のバトルです。
メスは9カ月間ほどの妊娠期間を経て、一回の出産で1頭の子どもを産み7~8ヵ月程度は授乳にて子育てします。
草食動物のバイソンの性格は基本的には臆病でおとなしい性格のようですが、オオカミやピューマなどの捕食者にはその巨体で勇敢に立ち向かっていきます。
非常に大きな体となる大人のバイソンには自然界にはほとんど天敵はおりませんが、子どものうちはオオカミの群れやピューマ、ヒグマの亜種であるグリズリーなどがバイソンの天敵となるようです。
かつてアメリカバイソンはその生息地である北アメリカの多くの場所で生息していて、ネイティブアメリカンにとっても非常に重要な動物でしたが、肉や毛皮を目当てとした乱獲やスポーツハンティングなどにより著しく生息数を減少させてしまいました。
ヨーロッパバイソンにいたっても、肉や毛皮目的の乱獲により野生種のものは一度絶滅してしまっています。
その後の保護活動やイエローストーン国立公園への再導入などによって現在アメリカバイソンの生息数は増加してきており、ヨーロッパバイソンについても野生への再導入が実施されています。
一度、絶滅寸前まで生息数が減少してしまったバイソンですが、現在は日本の動物園でも結構いろんな動物園で飼育、展示されているようです。
北海道の釧路市動物園、東京都の上野動物園、静岡県の日本平動物園、愛知県の東山動物園などにバイソンが飼育されているようです。
今回はアメリカバイソンとその天敵であるオオカミの群れとの雪上でのバトル動画をご紹介したいと思います。
オオカミは非常に社会性の高い性格で、家族で連携して狩りを行うことも生態の特徴となっている肉食の捕食者です。
パックで狩りをするオオカミはバイソンの群れにプレッシャーをかけながら追いかけ、群れから遅れた子どもに集中攻撃をしかける作戦です。
最後はなんとも意外な結末となる動画をぜひご覧ください。