アメリカのアラスカ州からロシアのカムチャツカ半島にかけて、大小150もの島々が東西およそ2000kmにも渡って連なるベーリング海のアリューシャン列島。
北極圏の真下に位置し、日本から5000kmもの場所に位置しているアリューシャン列島は、かつて太平洋戦争中は日本軍と連合国軍の戦いの舞台になった地域でもあります。
今回はこのアリューシャン列島で1年に数日のみ見られる野生動物たちの饗宴「アリューシャンマジック」の動画をご紹介したいと思います。
アリューシャンマジックのメインキャストのひとつであるザトウクジラは、ハワイや小笠原諸島など温かい海で出産した後、母子でこの食料の豊富なアリューシャン列島を目指して5000kmもの旅をしてやってきます。
さらにもうひとつのメインキャストであるホシボソミズナギドリは、なんと南半球のオーストラリアから太平洋の最北であるアリューシャン列島までやってくるというから驚きです。
500頭のクジラ、1000万羽のミズナギドリに加え、アホウドリやニシンといった様々な生物が豊かなオアシスとなっているアリューシャン列島の豊富な食料を求め一堂に会し、海面を真っ黒に覆いつくすほどの大饗宴が行われます。
アリューシャン列島への旅路の途中において、クジラの子供は天敵であるシャチに襲われることも多いようですが、そんな危険を顧みても十二分に潤沢な食料が得られるアリューシャンマジックは、まさしく海のオアシスなのでしょう。
アリューシャンマジックは、おびただしい数のクジラや海鳥が密集してきたかと思えば、わずか数時間のうちにあっという間にいなくなる非常に珍しい自然現象で、これまでほとんど映像に残っていないため、奇跡の現象とも言われています。
アリューシャンマジックが生じる原因は豊富な食料が発生するからなのですが、その原因は以下のような仕組みです。
アリューシャン列島は火山島の島々なので、豊富な栄養素が海底に沈んでいます。
北極から流れてくる寒流と南から流れてくる暖流がアリューシャン列島の海峡でちょうどぶつかり合って、海底の栄養素が海面の方へ巻き上げられ、それを食べるオキアミが大集結するというのです。
動物プランクトンであるオキアミは、クジラやニシン、鳥などの大好物!
彼らの腹を満腹にするほどの膨大なオキアミを求めて、海上は数千万の海鳥と潮を吹きながら海上に浮上するクジラで埋め尽くされ、野生動物たちのスペクタクルな光景が生まれるのです。
1年のうち数日しか見ることができない奇跡の光景ともいわれているアリューシャンマジック。
そんな貴重なアリューシャンマジックのYoutube動画をご覧ください。